2024年6月5日から7日にかけて「日本・スイス量子シンポジウム 2024」が東京大学で開催され、産学官の各界からハイレベルな参加者が集いました。スイス大使館・科学技術部と理化学研究所・量子コンピュータ研究センター（RQC）の共催でバーゼル大学のダニエル・ロス教授と理研量子コンピュータ研究センター (RQC) の中村泰信センター長が共同議長を務めるシンポジウムは戦略的な量子研究とイノベーションにおけるスイスと日本の専門家の連携拡大に寄与。

この機会に総勢２００名以上の専門家が交流を深め、特に若手と著名な研究者の間で活発な意見交換が見られました。またシンポジウムには日・スイス以外の国からも専門家が参加し、その数は全体の約２割を占めるほど、国際的にも注目が集まりました。

「日本・スイス量子シンポジウム2024」は初めての試みであり、科学技術・イノベーション分野における知見、リソース、才能の交流を促進するため、2023年10月に署名にされた協力覚書（MoC）が交わされことに基づきます。量子科学技術は、画期的な進歩をもたらす大きな可能性を秘めています。科学・技術・イノベーション分野の基本方針が重なるスイスと日本はともに、この重要な戦略分野に投資しています。

詳しくはこちら：https://swissnex.org/news/swiss-japanese-quantum-symposium-2024/　（英語）Vitality.Swiss (日本語）

「日本・スイス量子シンポジウム2024」の最終日（6月7日）には、スイス大使館は最先端の量子物理学の世界を音楽と視覚で感覚的に体験するスイスのアートパフォーマンス「ティンゲリー・エンタングル」公演をバーゼルの音楽祭Interfinity と共に開催いたしました。
スイスのピアニスト、ルーカス・ロスがバーゼル大学のNCCR SPINの科学者、ヘンリー・レッグ博士と協力し、物理学者のアリアナ・ニグロ、ラファエル・エグリ、ヴァレリイ・コジン、リウ・ジョンチンらと協働し、パフォーマンスを通して量子物理学の中心的概念である「重ね合わせ」「エンタングルメント」「コヒーレンス」「トンネリング」を用いて量子コンピューティングの基礎を分かりやすく観客に紹介しました。5人の物理学者が舞台上、映像上でストーリーを語り、ライブミュージックとビジュアル・アートがその内容を補足します。鑑賞者は、サウンドとビジュアル・アート、舞台とエレクトロニック・ミュージックをミックスしたユニークな体験に身を委ねることができました。

【注目！】ARTLOGUEに本公演のレポートが掲載されました。どうぞご覧ください。
スイスから初来日！ 東京大学で開催された、量子物理学の核心に迫るアート＆サイエンス・パフォーマンス「ティンゲリー・エンタングル」（執筆者：遠藤友香、2024/06/18）

本パフォーマンスは、スイス人ピアニスト・インターフィニティのディレクター、ルーカス・ロス（Lukas Loss）が、バーゼル大学を拠点とするNCCR SPINの研究者ヘンリー・レッグ（Henry Legg）と共同で脚本を制作。物理学者のアリアンナ・ニグロ（Arianna Nigro）、ラファエル・エグリ（Rafael Eggli）、ヴァレリイ・コジン（Valerii Kozin）、リウ・ジョンチン（Jung-Ching Liu）らと制作した共同プロジェクトです。

音楽・作曲　Linda Leimane
映像制作　Luca Scarzella、Michele Innocente
企画・制作　Lukas Loss
脚本　Henry Legg 、Lukas Loss

物理学者　Henry Legg、Rafael Eggli、 Arianna Nigro、Valerii Kozin、Jung-Ching Liu
ミュージシャン　Ensemble Nomad & Anna Gagane　（クラリネット）

「ティンゲリー・エンタングル」公演
日時 2024 年 6 月 7 日 19 時-20 時（開場 18 時 30 分）
会場 東京大学 アネックスセイホクギャラリー （〒113-8657 東京都文京区弥生 1 丁目 1-1）
主催 Interfinity、在日スイス大使館 / Vitality.Swiss
詳細：Vitality.Swiss
プレスリリース：ダウンロード