パオロ・ウッズ&アルノー・ロベールによる「HAPPY PILLS(幸せの薬)」
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭で開催される幸福と薬との関係を探るプロジェクト
京都を舞台に毎年約1ヶ月にわたって開催されるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、《BORDER=境界線》をテーマに展開され、スイスの作品「Happy Pills」を紹介します。スイス人ジャーナリストのアルノー・ロベールとオランダ系カナダ人の写真家パオロ・ウッズによる「HAPPY PILLS(幸せの薬)」と題された展示・書籍・映像は、幸福と薬との関係を探ります。
幸福の定義は永らく、宗教や哲学、あるいは政治に委ねられてきました。現代において、この普遍的な探求は、ますます製薬業界の管轄になってきているようです。製薬業界は、科学、マーケティング、コミュニケーションなど現代のあらゆるツールを駆使して、人間の究極の願望に対し、標準化された自動応答をすべての人に提供しています。今まで以上に、幸せになることは義務となるかもしれません。スイス人ジャーナリストのアルノー・ロベールとオランダ系カナダ人の写真家パオロ・ウッズは5年かけて世界各地を訪れ、「Happy Pills(幸せの薬)」を追求すべく世界中を旅しました。Happy Pillsとは、心の傷を治す薬、人々に行動を起こさせる物質、働くことや元気になることを助ける物質、うつ病患者が最悪の事態を避けるための製剤、労働者階級が家族を養い続けるために消費する鎮痛剤などです。本展では人が幸せになるために、いかに製薬業界に依存することになったかを物語り、幸福の追求のために化学を拠り所とする消費社会全体に対して疑問を投げかけています。はたして薬を使って幸せを手に入れることはできるのでしょうか?
トークイベント:幸せを薬に処方できるか?「HAPPY PILLS(幸せの薬)」の著者アルノー・ロベールと語る
KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭と在日スイス大使館はスイス人作家アルノー・ロベールを招いてトークイベントを開催します。アルノー・ロベールと写真家パオロ・ウッズとの「HAPPY PILLS(幸せの薬)」展は、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭で開催中です。
日時: 5月12日(金)18時より(開場17:45)
会場: QUESTION(京都市中京区下丸屋町390-2)
入場無料
開会あいさつ:KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭 共同創設者/共同ディレクター ルシール・レイボーズ、仲西祐介
トークイベント司会:在日スイス大使館 広報文化部長 ジョナス・プルヴァ
本プロジェクトは、在日スイス大使館とVitality.Swissプログラム、オランダ王国大使館の支援を受けています。
アルノー・ロベールはスイスのジャーナリスト、映画監督、作家。「ル・モンド」、「ル・タン」、「ラ・レプブリカ」等の国際的な主要メディアに記事が掲載されている。これまでに「Bamako is a miracle」、「Bondyé Bon」、「Gangbé!」を含む5本のドキュメンタリー映画を監督しているほか、画家フレデリック・クロと共著の「Hors-bord」、パオロ・ウッズとの「STATE」、ハイチの新聞「Le Nouvelliste」に掲載されたコラムをまとめた「Journal d’un Blanc」などの著書があり、モントルー・ジャズフェスティバルに関する「50 Summers of Music」など多くの著書がある。また、ジャーナリストに与えられるジャン・ドゥミュール賞やフランス公共ラジオ放送賞を受賞しているほか、2020年には世界中のトイレ革命に関する調査でスイス報道写真コンテストで大賞を受賞。最新作となる写真家パオロ・ウッズとの共同プロジェクト「HAPPY PILLS」では、ドキュメンタリー映画、書籍、展示を通じて、幸福と薬との関係を取り上げている。
ストーリーのカバー:
©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert