在日スイス大使館と在日スイス商工会議所は、経団連自然保護協議会とWIRED JAPAN後援のもと、スイス・日本経済フォーラムを開催いたします。
この経済フォーラムでは、生物多様性の損失とその影響、そして自然を再生し回復力を高めるための行動を起こすことが急務であることについて、認識と理解を深めることを目指します。スイスと日本の産学官 のリーダーが一堂に会し、ネイチャーポジティブ経済への転換という重要な課題 を如何に推進できるかを議論します。本フォーラムの目的は、最新の取り組みや機会を紹介することで、革新的な解決策の研究を触発し、行動を促すことです。
概要
世界の経済生産の半分以上は、生物多様性と自然が生み出す生態系サービスに依存しています。にもかかわらず人間の活動と環境の悪化が、取り返しのつかない転換点へと生態系を押しやり、経済にシステミック・リスクを引き起こしています。
今、危機感が強まり、対策を講じる機運が高まってきています。2022年末、スイスと日本は世界196ヵ国とともに歴史的な「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を採択しました。「自然のためのパリ協定」と呼ばれるこの枠組は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せるという意欲的な目標を掲げています。目標には、企業が生物多様性に与える影響を監視、評価、開示し、関連するリスクを低減し、持続可能な消費と生産を推し進めるための規制措置が含まれています。各国政府は、2024年10月21日からコロンビアで開催される会議(COP16)で初めて進捗状況を確認する予定です。
企業にとって、もはや避けることができない、ネイチャーポジティブ経済への転換を積極的に推進することは理にかなっているのです 。世界経済フォーラムは、生態系の崩壊を今後10年間における世界的リスクのトップ3のひとつに挙げており、ネイチャーポジティブな解決策への移行は、2030年までに年間10兆米ドルのビジネスチャンスを生み出し、3億9500万人の雇用創出をもたらす可能性があるとしています。
行動を起こす論理的根拠は明快であるいっぽうで、企業が生物多様性に関するリスク、依存関係、影響を正確に測定し、理解し、説明するための適切な手段はまだ十分ではありません。経済転換を促進することを目指し、2023年後半に国際的な組織である「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」から提言が発表され、スイスや日本の企業100社以上が情報開示を始めることを明言しています 。また、研究者やスタートアップは、企業の取り組みをサポートするために、新たな革新的ソリューションを提供する取り組みを加速させています。
開催日: 2024年10月9日(水)時間: 開場15:30、フォーラム16:00-18:25、懇親会18:30-20:00
会場: 東京ミッドタウン・ホールB(六本木)
言語: 日本語/英語(同時通訳つき)
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プログラム(敬称略)
16:00
冒頭挨拶
次期駐日スイス大使 ロジェ・ドゥバッハ
16:05
アート・サウンドパフォーマンス
マーカス・メーダー、アーティスト、研究者、電子音楽作曲家
16:20
基調講演
マイケル・スカップマン、チューリヒ大学学長
16:30
パネル1 - 岐路に立つ生物多様性: 基準、目標、インセンティブの進化中の舵取り
● 秀島 弘高、農林中央金庫 エグゼクティブ・アドバイザー
● 栗山 浩一、京都大学 農学研究科 教授
● 末次 浩詩、株式会社sustainacraft 代表取締役
モデレーション: 瀬戸 陽子、レプリスクジャパン株式会社 シニアESGアカウントマネジャー
17:10
休憩
17:25
洞察 – 世界的リスクと可能性としての生物多様性(オンライン)
ニコール・シュワブ、世界経済フォーラム 自然と気候部門 ネーチャー・ポジティブ共同代表
17:30
パネル2 - 公約から行動へ: 自然再生への課題、機会、そしてイノベーション
● 藤木庄五郎、株式会社バイオーム 代表取締役
● 橋本 純、清水建設株式会社 環境経営推進室 グリーンインフラ推進部 部長
● アニア・ルントクィスト、インベスト・コンサーベーション 最高商務責任者
● マイケル・スカップマン、チューリヒ大学学長
モデレーション: 松島 倫明、『WIRED』日本版 編集長
18:10
所見-再生を導くエビデンスベースの科学と技術
マーティン・ベッテルリ、EPFLスイス連邦工科大学ローザンヌ学長
18:15
終わりに
ペーター・バッカー、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD) プレジデント兼CEO
18:30
ディナー・レセプション
トーマス・ブロッドベック、在日スイス商工会議所(SCCIJ)会頭 / シーカ・ジャパン株式会社 テクニカルサービス ディレクター
スイス・日本経済フォーラムは、スイスと日本の国交樹立160周年を記念する「スイス・バイタリティ・デイズ2024」、ならびに2025年大阪・関西万博に向けたスイス政府の広報文化外交プログラム「Vitality.Swiss」の一環として開催されます。