planet 公開イベント

東京都文京区本郷2-4-16

TOKAS Project Vol.8「絡まりのプロトコル」

2010年から続くトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)と、スイス・バーゼルにあるアトリエ・モンディアルとのアーティスト交換プログラム。この長年の交流の集大成として、展覧会「絡まりのプロトコル」が開催されます。本展では、過去にこのプログラムに参加した日本とスイスのアーティストたちが再集結。視覚や音、記憶や存在の境界、都市と自然など、多層的な「絡まり」をテーマに、VRや映像、サウンド、立体作品など多様な表現で空間を構成します。

TOKAS Project Vol.8「絡まりのプロトコル」 image

出展作家は、スイスのアーティストユニット「モニカ・ステューダー/クリストフ・ヴァン・デン・ベルク」、バーゼル在住のレオナルド・ビュルギ・テノリオ、東京と愛知を拠点に活動する中島りか。スイスと日本のアーティストたちが、それぞれの視点から日常に潜む複雑な関係性に光を当て、新たな知覚の扉を開きます。

モニカ・ステューダー/クリストフ・ヴァン・デン・ベルク 《FOWDIB AI Core: HALLUC》 2023 VRインスタレーション内でリアルタイム生成 © Studer/van den Berg
モニカ・ステューダー/クリストフ・ヴァン・デン・ベルク 《FOWDIB AI Core: HALLUC》 2023 VRインスタレーション内でリアルタイム生成 © Studer/van den Berg

モニカ・ステューダー/クリストフ・ヴァン・デン・ベルクは、1990年代よりCGとプログラミングを駆使し、現実と仮想の境界を往還するようなバーチャル空間を創出し続けてきました。本展では、AIと意識の可能性をテーマにしたVRインスタレーションを中心に、複合的なマルチメディア作品を展開します。バーゼルを拠点とする彼らは、スイス国内外での数多くの展覧会に加え、教育やリサーチ活動も積極的に行っており、デジタル・アートの最前線を牽引しています。

レオナルド・ビュルギ・テノリオ 《from shadow to soil》 2025 Photo: Finn CURRY
レオナルド・ビュルギ・テノリオ《from shadow to soil》 2025Photo: Finn CURRY

レオナルド・ビュルギ・テノリオは、菌糸や発酵に宿る生命の循環に着目し、日本滞在中に麹文化の奥深さを掘り下げました。自然と文化のあいだに横たわる絡まりを、木材や天然素材を用いた彫刻的表現で可視化します。

中島りか 《塔のセラピー》 2021 「I tower over my dead body.」より Photo: 竹久直樹
中島りか《塔のセラピー》 2021 「I tower over my dead body.」よりPhoto: 竹久直樹

中島りかは、スイスでの安楽死に関するリサーチをもとに、生と死、そして個人と社会の関係性を見つめ直すサウンドインスタレーションを制作。本展では、知覚と意識の境界を揺さぶるような、深い思索を促す体験を提示します。

スイスと日本をつなぐアーティストの対話の結晶を、ぜひ会場でご体感ください。

レオナルド・ビュルギ・テノリオ 「オープン・スタジオ 2023-2024/ 3月」展示風景、2024、TOKASレジデンシー、東京
レオナルド・ビュルギ・テノリオ「オープン・スタジオ 2023-2024/ 3月」展示風景、2024、TOKASレジデンシー、東京

会期: 2025年8月23日(土)~9月28日(日)
時間: 11:00~19:00(最終入場18:30)
※月曜休館。ただし9月15日(月祝)は開館、翌16日(火)休館
会場: トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
入場: 無料
詳細: 展覧会公式ページ
主催: トーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)
後援: 在日スイス大使館

アトリエ・モンディアルについて 

1986年にクリストフ・メリアン財団によって設立され(※)、2014年新たなアートの拠点として注目されるドライシュピッツァレアル地区へ移転。海外アーティストのための7つのスタジオ兼住居と、スイス人アーティストのための17のスタジオ、広い展示スペースがあります。同じ建物内には、メディア・アートセンター、写真スタジオ、ギャラリーなどが入居し、敷地内には美術大学もあります。
詳細:アトリエ・モンディアル
※設立当初の名称はIAAB(“Internationales Atelier- und Austauschprogramm der Region Basel”)で、2014年から現在の名称として活動しています。