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スイスの冒険ファミリー、日本周遊自転車の旅!

セリーヌとグザヴィエ夫妻は、2010年以来、自転車で世界を巡る旅を続けています。旅の途中で生まれた2人の女の子とともに、ノマドライフを続けながら辿った道はなんと90,000kmに及びます。そのパッシュ一家は、ジャパンエコトラック公式アンバサダーとして日本を走破する新たな冒険に乗り出しました。ここでは6か月に及ぶ一家の旅の様子を毎月レポートしていきます。お楽しみに!

© Pasche Family

パッシュ一家は、6ヶ月間の冒険のために今年5月23日に大阪に到着。本州と北海道を6,000キロにわたって自転車で巡り、地元のみなさんと交流を行う他、自分たちの生き方や自然の中で過ごすことの大切さについて講演を行う予定です。ジャパンエコトラック公式アンバサダーに任命された彼らは、15のジャパンエコトラックを走り、持続可能な移動を促進するための複数の会議やイベントに出席する予定です。Vitality.Swissプログラムのゲストとして彼らをお迎えできることを大変嬉しく思います。大阪から北海道まで行き、東京を経由して戻ってくる彼らの日本での冒険を追いかけていきます。一家の日本での体験談をどうぞお楽しみに!

彼らの8つのインタビューをご覧ください。

8-パッシュファミリーの日本での冒険物語!サイクリング、文化、コミュニティーについて語ります

13年にわたり自転車で世界を巡る旅を続けている、スイスの冒険一家パッシュファミリーへのインタビューシリーズの最終回をお見逃しなく!パッシュファミリーが地域や文化とのつながり、個人的な思い出、旅先での困難の乗り越え方などについて一連のインタビューで語りました。最終回となる今回は、忘れられない6ヶ月間の日本縦断の旅を振り返り、山あり谷ありの道中の体験に迫ります。

以下にご覧ください

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2023年11月に6カ月間の自転車による日本一周を終えましたが、その感想は?

パッシュファミリー
この旅は、日本で最も暑かった夏のひとつを経験する強烈な旅でした。何か月間も野外サウナに入っているようでした。台風、梅雨、太平洋からやってきた激しい嵐、地震、そして火山の驚くべきエネルギーも体験しました。強烈であるとともに驚きに満ちていて、その衝撃が私たちの感覚を満たしてくれました。もちろん、チャレンジでもありました。6カ月間で5000キロを自転車で走り、富士山の高さの8倍に相当する合計3万メートル以上の標高差を走破しました。私たちが日本一周したルートは、訓練されたサイクリストなら2カ月で走破できます。家族で、しかもトークイベントをはさみながらとなると、話は別です。ナイラとフィビーにとっては大きな経験でした。ナイラ(10歳)は、時には本当にハードなコンディションの中、全行程を自転車で走破しました。彼女は途中で4つの「SEA TO SUMMIT(シー トゥー サミット)」を完走しました。フィビーは毎日10キロから35キロを走りました。彼女も千曲川のシートゥーサミットを完走しました。トリオでのカヤック、23kmのサイクリング、高社山山頂までの1000mハイキングを、6歳にして1日で完走したのです。私たちがナイラとフィビーのペースに合わせ、励まし、二人が辛くなったらゲームを作って手助けし、疲れを紛らわせるようにしたから完走できたのです。

今年2023年は大きなサプライズで幕を閉じます。モンベル・チャレンジ・アワード2023を受賞したのです。2019年の賞は私たちの生き方を称えるものでしたが、2023年の賞は私たちの娘、ナイラとフィビーに捧げられたものです。彼女たちの強い決意と勇気がなければ、私たちは「2023年日本の自然の驚異」プロジェクトを完遂することも、この冒険生活を送ることもできなかったでしょう。ありがとうナイラ、フィビー。
冒険の中で、自分では予想していなかったような出来事に対処しなければならなかったことは?
パッシュファミリー
トレーラーのタイヤが完全に破れてしまったりすると、道中で修理しなければなりません。ブレーキにも問題が出て、全部交換しなければなりませんでした。ビザを延長するために、入国管理局に行かなければなりませんでした。毎日正午には、湿気や雨を乾かすためにすべての装備を開け、テント、タープ、寝袋、マットレスの梱包を解く。つまり、1日に2回、すべてを梱包しなければなりませんでした。

何事にも時間がかかります。旅の間に書いた100本の記事、聴衆に刺激を与えた25回の講演と4回の環境シンポジウム、グザヴィエが撮った何千枚もの写真と何時間ものビデオ、そしてナイラとフィビーの勉強時間を別にしても、です。毎日サイクリングをするということは、ストレッチ、傷や筋肉痛の手当て、虫刺されの対処など、体のケアをするということでもあります。このすべてを感情のバランスを保って行いますが、私たちが日本へ飛び立とうとしていたときにセリーヌの父親が他界し、感情がとても不安定になりました。プロジェクトの最初の2週間はキャンセルされましたが、2週間では別離に対処するには不十分で、心の傷口はまだ開いていたし、感情も揺れていました。
今回で5度目の来日となりますが、思い入れのある場所や出来事はありますか?
パッシュファミリー
たくさんあります。北海道は私たちにとって聖地です。7年前、私たちはこの島でサイクリングをしていました。私は妊娠5カ月でした。ナイラは3歳でした。南富良野で陣痛が始まって、どんどん強くなりました。私たちの息子は光の中で生まれましたが、早すぎました。彼の誕生は彼の死となり、私たちはこの内なる台風を生き抜かなければならなかったのですが、同時に本物の台風がこの小さな村を破壊しました。風の威力の前に木々がしなっていたのを覚えています。でも、ある意味、自然は私の痛み、苦しみを理解してくれるような気がしました。そして、北海道の自然が私を癒してくれました。だからこそ、この地は私たちにとって常に神聖な場所なのです。私たちは日本と深いつながりがあるのです。

もちろん素晴らしい思い出もできました。私たちが登山家だからかもしれませんが、6つの山頂へのハイキングは本当に楽しかったです。毎回とても特別な経験でした。いつも風景と不思議な一体感を感じています。「時間が止まっている感覚、ただ平穏の中にいる貴重な瞬間を与えられている感覚。たとえそれが、天候が変わって私たちが下山しなければならなくなるまでの数分間だったとしても」とセリーヌは説明します。私たちは、海の見える大山、再生というスピリチュアルな山である月山、北海道最高峰の旭岳、活火山の樽前山、ハート型の湖がある吾妻小富士、色とりどりの紅葉が楽しめる高社山に登りました。

また、ひときわ思い出深いのがねぶた祭りです。色とりどりの山車が、太鼓の振動と笛の音に合わせて通りを練り歩く姿は、本当に信じられないくらい素晴らしいものでした。温泉は、私たちが本当に楽しんだ日本のもうひとつの側面です。特に、寒い季節にサイクリングをした後、温かい風呂に入るのは、いつもその日のハイライトでした。最後に、私たちが抱きしめた堂々たる巨木はすべて、日本の自然や土地との重要なつながりとなりました。巨大な幹の前で着物を着たナイラとフィビーが写っている写真は、私たちと自然、そして日本との絆を象徴しているのかもしれません。
日本での滞在は皆さんにどんな影響を与えましたか。この6か月間の冒険から何を得ましたか。
パッシュファミリー
もちろん、たくさんのことを学びました。能登半島を走っている時にフィビーが初めて自転車のハンドルから手を離したこと、ナイラが前よりひらがなを読めるようになったこと、グザヴィエが自作の篠笛を演奏するという新しい趣味を見つけたこと、などです。セリーヌもカヤッキングをとても楽しんでいました。「その土地を探検するための、とても素晴らしい方法だと思いました。日本は川が多いので特にそう思います。私たちの地球探検にとって新しい手段になると感じました。いつかカヤックで冒険をするかもしれません」私たちは日本文化にも浸って、とても多くの新しいことを学びましたが、滞在中のハイライトの一つは日本で築いた絆です。

フィビーは虫を眺める時間が好きなので、昆虫を観察している日本の子供たちと喜んで遊んでいました。「トンボを捕まえる日本の方法を教わったの。トンボの目に向けて指をクルクル回すと、トンボは目がくらんで簡単に捕まえられるのよ。干し柿の作り方も教わったけど、残念なのは毎日納豆を食べられないこと」

ナイラは日本で接した大人たちにとても感謝しています。「みんな私のことをすごく気にかけてくれて、一緒に遊んでくれたり、ふざけてくれたりしたの。私と一緒に大人の人たちが笑ったり走ったり遊んでくれたのがとても嬉しかった」とナイラは話します。「チャチャ、辰野さんにまた会えてとても嬉しかった。一緒にカヤックやハイキングをしたの!いろんな遊びを教えてくれて、特に好きだったのは辰野さんが日本の笛を演奏するのに合わせて歌ったこと。日本で一番感動したのは、辰野さんが竹笛でもののけ姫を演奏するのを聞いた時」とナイラは説明します。

「旧友にまた会えて、涙が出ました」とセリーヌが話します。「同時に、たくさんの人々に出会って、新しい友達ができました。大阪での私たちの最後のトークイベントに大勢の人たちが来てくれたのを見て、本当に胸がいっぱいになりました。古くからの友人も、今回の旅の道中で出会った人たちも、両方です。このために6時間もドライブして来てくれた人もいました。私たちがこの人たちにどんな影響を与えているか、これまで本当に気付いていませんでした。私たちの話の途中で泣いている人を見ましたし、私たちは人生の灯台だとか、私たちの影響で人生が変わった、あるいは何か違うことをやってみると言ってくれる友人もいました。これは、とても貴重な贈り物だと感じています。私たちには文化をはるかに超えたつながりがあるのだと気づきました」 

私たちにとって、この生活は文化、人々、そして自然と人間との間に橋を架けることを意味します。人々と、その人たちの中で揺れ動く不可能との間に橋を架けること。この点において、「自然の驚異2023」は成功を収めました。
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7-旅で学ぶ:定住しない生活を続けるスイスのパッシュ一家の冒険の旅からの洞察

スイスの冒険家一家、パッシュファミリーが6ヶ月に及ぶ自転車での日本縦断を成し遂げた!2010年から続く彼らの旅が周囲の世界に対する彼ら自身の見方や、コミュニティ、自然、時間、文化などとのつながりにどのような影響を与えたかを知ることができました。 13年にわたる世界一周の旅で、彼らは未知の世界に深く潜ってきました。最新インタビューでは、彼らのユニークなライフスタイルや、旅の途中で培ったスキルなど、貴重な洞察を交えながら、あなたの切実な疑問にお答えします。

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6-一家の世界が垣間見えるかも?:パッシュ―・ファミリーの旅路の山あり谷あり

この5ヶ月間、パッシュ一家は一連のインタビューで、彼らの生き方や哲学、自然の中で過ごすことの大切さなどについて話してくれました。2010年から続く彼らの旅が周囲の世界に対する彼ら自身の見方や、コミュニティ、自然、時間、文化などとのつながりにどのような影響を与えたかを知ることができました。6回目となる今回のインタビューでは、旅の良いところや悪いところ、旅先での諍いへの対処法など、より個人的な思い出を語ってもらいました。

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5-全持ち物は200kg以下というノマド生活を続けるパッシュファミリーの身軽な暮らしの秘訣とは

セリーヌとグザヴィエ・パッシュは13年前から自転車で世界中を旅しています。これまでの4回のインタビューでは、恐怖に直面することから、新しい出会いや人々に対してよりオープンになることまで、旅が彼らに与えた深い影響について掘り下げてきました。国から国へ移動する彼らの旅は、自らを取り巻く世界への見方や、自然、時間、文化などとの関わり方に影響を与え、彼らに新しい視点をもたらしました。その一方で、自転車だけを利用する旅は持ち物の面などで制約もあります。第5回目のインタビューでは定住しないノマドな生き方とは何かを見つめるとともに、日本での身軽な旅の体験談をお届けします!

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4-ペダルを漕いで文化を越える:絆の旅

前回のセリーヌとグザヴィエ・パッシュのインタビューでは、彼らの定住しない生活が「時間」に対する概念をどのように変えたかを明らかにしました。4回目となる今回のインタビューでは、彼らが出会うコミュニティとどのように関わっているかに焦点を当てます。また、絶え間なく変わる文化の中でどのように生き、人々や友人とどのように交流しているのかについても触れていきます。

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3-時間との関わりとスローライフ

前回のセリーヌとグザヴィエ・パッシュのインタビューでは、スローな旅について、そして彼らが自転車で旅をすることの具体的な意味について話してもらいました。3回目となる今回のインタビューでは、彼らの定住しないライフスタイルとスローな旅の方法が、「時間」という概念との関わり方にどのような影響を与えたかに焦点を当てます。

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2-アクティブな移動を通じて土地と触れ合う

セリーヌとグザヴィエ・パッシュは、人力による移動手段を使って世界を探検することに決めました。なぜ彼らは移動手段に自転車を選んだのか?スローな旅は彼らに何をもたらすのか?ジャパンエコトラック公式アンバサダーに選ばれたことはどういう意味を持つのか?彼らのインタビュー第2弾で、そのすべてをご紹介します。

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1-自己紹介インタビュー

今回は一家のご紹介から。あなたもサステイナブルな冒険の旅に出発してみませんか?

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これから6ヶ月間、Vitality.Swissは一家の日本での冒険を追跡していきます。一家の日本での体験談をどうぞお楽しみに!