本講演会では、日本とスイスのアーティストや研究者が、水をめぐる実践的な知見を共有します。気候危機によって世界が直面するリスクの中で、河川の再生は洪水対策や再生可能エネルギーの創出、生態系の向上にどのように貢献するのでしょうか? 氷の融解は北極の生物多様性にどういった影響を与え、地球温暖化をどう加速させるのでしょうか? そして、アートはテクノロジーを単なる解決策としてではなく、思考・解釈・維持のためのツールとしてどのように変えるのでしょうか?
登壇者:AKI INOMATA & Marcel Rickli(アーティスト)、中村圭吾博士、Gabriela Schaepman-Strub教授、Michael Döring教授、Irène Hediger & Flurin Fischer(キュレーター)
プログラム
14:00 歓迎挨拶・イントロダクション:Irène Hediger、Flurin Fischer(artists-in-labsプログラム)
プレゼンテーション:中村圭吾博士、Michael Döring教授、AKI INOMATA(アーティスト)
15:15 コーヒーブレイク
15:45 プレゼンテーション:Gabriela Schaepman-Strub教授、Marcel Rickli(アーティスト)
その後、質疑応答
17:00 講演会終了
17:30 スイスパビリオンツアー
参加申込
イベント詳細
気候危機が加速する中、人類は地球の循環の中での自身の立ち位置を再考する必要があります。アートは、私たちの時代の矛盾―緊急性と停滞、知識と無行動、持続する美と取り返しのつかない喪失―に向き合う機会を提供してくれます。一方で科学は、高度に不安定で複雑なプロセスを理解し、気候変動の緩和や適応の方法を示唆してくれます。
「Converging Waters(交わる水)」は、気候変動に関する共通の課題に取り組み、学際的・文化的な境界を越えた人間による気候介入について議論し、互いに学びながら責任ある包括的な進め方を探ることを目的としています。さまざまな形式を通じて新たな知見の創造を探求するとともに、日本とスイスのアーティストと研究者の間で学際的・文化横断的なコラボレーションやネットワークを強化していきます。
本講演会は、スイスネックス・ジャパンで開催される展示「Converging Waters – Kumo, Kawa, Kōri」のプログラムの一環です。展示期間は2025年9月8日~26日(月~金)で、日本人アーティストAKI INOMATAとスイス人アーティスト・Marcel Rickliの作品を展示します。企画・制作はチューリヒ芸術大学 Artists-in-Labs プログラムのIrène HedigerとFlurin Fischerが担当しています。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
休憩時間には、コーヒーやドリンクをご用意しており、参加者同士の交流をお楽しみいただけます。
講演会終了後には、スイスパビリオンのガイドツアーにもご参加いただけます。
www.artistsinlabs.ch

左画像:AKI INOMATA《昨日の空を想う》、岡山県奈義町、2022年11月8日
右画像:マルセル・リクリ《Cryomancer》、ローヌ氷河、2025年8月