非常に高い記録密度・長期にわたる安定性・サステナブルといった特長を備えた、人工DNAを用いたデジタル情報の符号化と原理に関するワークショップを開催します!JPEG標準化委員会によって開発されたデジタル画像の情報圧縮に関する国際規格の紹介に始まり、スイスに本部を置くIEC(国際電気標準会議)およびISO(国際標準化機構)が共同で出版を予定している新しい国際標準規格 JPEG DNA をご紹介します。その後、マルチメディア・アーカイブが直面する課題を、モントルー・ジャズ・フェスティバル・デジタルアーカイブコレクションを例に解説し、 JPEG DNA がこれらの課題の解決にどのように貢献できるかを探ります。事前の専門知識は必要ありません!皆様のご参加を心より歓迎いたします。
開催概要
6月12日 15:00~17:00 — スイスパビリオン イベントスペース
ウェルカムノート、JPEG標準の概要、JPEG DNAの紹介、モントルー・ジャズ・フェスティバル・デジタル・アーカイブス、パネルディスカッション
申し込み
申し込みはこちら: JPEG Event 12.06.25
詳細
DNAを使ったデータ保存に関するワークショップが、スイス・パビリオンにおいて、EPFL主催で開催されます。参加者へ向けた歓迎の辞の後、デジタル情報の記録、すなわちストレージ・メディアの未来について示唆に富んだ種々の探求セッションが用意されます。
ワークショップは、マルチメディア信号処理の専門家として知られ、JPEG標準化委員会の委員長を務めるEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のトゥラジ・エブラヒミ教授による基調講演で幕を開けます。エブラヒミ教授は、JPEG標準ファミリーの包括的な概要を説明します。特に、デジタル化が進む世界において、画像やデータの圧縮に対する要求が高まる中、JPEGがどのように進化してきたかを俯瞰します。
次に、JPEG DNAプロジェクトの共同議長を務める拓殖大学の渡邊教授が登壇し、JPEG DNAの野心的な標準化イニシアチブを紹介します。渡邊教授の講演では、DNA分子にデジタルコンテンツを保存する動機について掘り下げ、JPEG DNAプロジェクトの目的、直面している技術的・科学的課題、この先見的なアプローチを長期的かつ持続可能なデータ保存のための世界標準にするためのロードマップについて議論します。
3番目のプレゼンテーションは、同じくEPFLのデュフォー博士による遠隔プレゼンテーションです。世界で最も重要なオーディオビジュアル・コレクションのひとつであるモントルー・ジャズ・フェスティバル・デジタル・アーカイブから得られた知見および洞察を紹介します。デュフォー博士は、このような膨大なアーカイブを維持するための技術的、ロジスティクス的、保存的な課題を述べ、それらの課題に対して、DNAストレージのような革新的な技術がどのように有望な解決策を提供しうるかを解説します。
ワークショップの最後には、インタラクティブなパネルディスカッションが行われ、講演者が意見を交換し、聴講者の方々からの質問に答えます。
本ワークショップはデジタル遺産と情報保存の将来に対するDNAベースのデータ保存技術の広範な意味合いについて考える貴重な機会となることでしょう。