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Oita

大分国際車いすマラソンとスイス

世界初の車いすフルマラソンとして知られる「大分国際車いすマラソン」は、日瑞の卓越と友情の歴史を刻んできました。40年以上にわたり、スイスの選手たちはその舞台で輝きを放ち、粘り強さとスポーツマンシップを体現しています。この大会は、競技を超えた絆と相互の敬意を象徴する、スイスと大分を結ぶ物語です。

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スイスの輝きの舞台

毎年秋、大分市では世界中からアスリートを迎え、「大分国際車いすマラソン」が開催されています。この大会は、車いすレーサーのための世界初のフルマラソンとして1981年(国際障害者年)に始まり、以来、パラスポーツの先進的な取り組みと多様性を象徴する大会として世界に知られています。

大会の発展には、中村豊博士の先見的な考えが大きく関わっています。日本のリハビリテーションとパラスポーツの先駆者として、博士は障がいのある人々が活躍できる場を切り開き、今日の世界的に評価される大会の礎を築きました。

スイスの選手たちは初期の頃から常に参加しており、これまでに30名の選手が合計188回出場しています。スイスは大会の歴史において、最も実績のある国の一つとして知られています。

2025年大会では、マルセル・フグ選手、マニュエラ・シャー選手、パトリシア・イーカス選手、ハインツ・フライ選手、フゴー・ミュラー選手、ヴィンチ・カヴィッキア選手の6名が出場予定です。

なかでも男子部門のフグ選手(11回優勝・現世界記録保持者)やフライ選手(14回優勝)は大分のレジェンドとして広く知られています。女子部門では、シャー選手(4回優勝)やデブルナー選手(2回優勝・現記録保持者)が、スイスの強さと粘り強さを体現しています。

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ゴールラインを越えたつながり

大分とスイスの関係は、このマラソンを通じて年々深まってきました。最初は個々の選手の参加から始まりましたが、今では交流と友情、協力の広がる物語へと発展しています。

この関係はスポーツの枠を超えて広がっています。ホストタウン事業の一環として行われたスイスフェアや学校訪問では、地元の子どもたちがスイス文化に触れる機会が生まれました。アルゲリッチ音楽祭との文化協力や別府との交流も加わり、対話と理解がさらに深まっています。
また、数千人にのぼるボランティアとスイスの選手たちの間にも、競技を越えた温かな絆が築かれています。

過去10年間、3代にわたるスイス大使が大会に出席し、いずれもこのマラソンを日瑞の友情の象徴として紹介してきました。現在のロジェ・ドゥバッハ大使もその伝統を受け継ぎ、2025年の開会式で「大分国際車いすマラソンは、世界的な大会であると同時に、地域と地域、人と人をつなぐ架け橋です」と語りました。

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おもてなしの心

大会が40年以上も続いている理由の一つは、大分の人々の温かいおもてなしです。毎年およそ2,000人のボランティアが運営を支え、世界中の選手たちが安心して大会に臨めるよう尽力しています。

スイスの選手たちにとって、この温かい歓迎こそが再び大分を訪れたくなる理由のひとつです。地元の人々は、世界的な大会を支える誇りとともに、選手も観客も一体となれる雰囲気を大切にしています。この心は、スイスが大切にするつながりと包容の価値観にも通じており、大分とスイスの絆をさらに深めています。

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関係者への感謝

スイス大使館は、大分国際車いすマラソンの開催にご尽力されているすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
とくに、温かく迎えてくださる大分県と大分市の皆さまに深く感謝いたします。

また、日本パラスポーツ協会/日本パラリンピック委員会、日本パラ陸上競技連盟、大分合同新聞社、大分県社会福祉協議会、大分県障がい者スポーツ協会の皆さまの支えにより、世界中の選手たちが安全に、楽しく、そして友情のもとで競い合うことができています。

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未来への架け橋

創設から40年以上を迎えた今も、大分国際車いすマラソンはスポーツの記念碑的な大会であり続けると同時に、文化と友情をつなぐ架け橋として輝いています。

スイスの選手たちの活躍は、大分が世界とつながる舞台であることを示すとともに、スイス・大分・日本の絆をこれからも強めていくでしょう。

この大会は、スイスにとって単なるスポーツイベントではなく、友情とおもてなし、そして未来への希望を共有する物語でもあります。

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