Swiss(スイス) + Sustainable (サステナブル)を組み合わせた「スイステナブル Swisstainable」という造語をブランドにして、サステナブルなプロジェクトに積極的に取り組んでいるホテルやレストラン、ミュージアムなどの施設、交通機関などの観光サービス企業・団体を認証し可視化する、スイス政府観光局の取り組みをご紹介します。
「サステナブル」はもうニッチなトピックではなく、今や世界の主流です。持続可能な未来のために、地球規模で、政治家も企業も消費者も全員が協力して取り組まないといけないことと認識しています。日本でも広く紹介されているように、国連は17の包括的なグローバル目標であるサステナブル(持続可能な)開発のための目標「SDG(Sustainable Develoment Goal)」を制定しました。ヨーロッパでは日本よりも急速にこの流れに舵をきっており、観光業界を含め、すべての業界で「サステナブル」が最優先で考えられています。スイス連邦議会では2050年までの完全なクライメイト・ニュートラル(気候中立)実現を決定し、新しい観光戦略の一環として「サステナビリティ(持続可能性)」を特別に重視しています。とくに観光立国&環境立国として知られるスイスは、サステナブル(持続可能)ツーリズムのリーダーとしてこの方針に完全に賛同しており、スイス旅の最大の魅力となっている大自然の絶景や多様性を誇る文化を次世代に受け継いでいくことは観光業界全体の重要なテーマです。
観光業界のサステナブルな共通ブランド :スイステナブル Swisstainable
地球にやさしいサステナブルな旅を探すとき、いろいろな団体のさまざまな認証マークがあり、ラベルのジャングルで迷子になってしまいます。そこでスイス政府観光局で、Swiss(スイス) + Sustainable (サステナブル)を組み合わせた「スイステナブル Swisstainable」という造語をブランドにして、サステナブルなプロジェクトに積極的に取り組んでいるホテルやレストラン、ミュージアムなどの施設、交通機関などの観光サービス企業・団体を認証し、可視化します。観光客の皆様へのわかりやすいガイダンスの提供が主となる目的ですが、同時にスイスの観光業界の啓蒙活動、さらなるムーブメントの盛り上げを目指しています。
3つの認証ラベル
レベル3(上級):リーディング leading
レベル3の企業・団体は、サステナビリティ(持続可能性)のためのさまざまな取り組みをおこなっており、外部機関からも定期的に監査・承認された、包括的でかつ認められた持続可能なプロジェクトの実績があります。
レベル2(中級):エンゲージド engaged
レベル2の企業・団体は、サステナブルな企業経営で、継続的なさらなる発展に取り組んでいます。 少なくとも1つのサステナビリティ(持続可能性)のためのプロジェクトの実績があります。
レベル1(初級):コミテッド committed
レベル1の企業・団体は、サステナビリティ(持続可能性)に根ざした企業経営や事業を継続的に発展させていきます。
サステナブルな旅行
環境先進国として知られるスイス。手つかずの自然が私たちの心に届きます。 壮大な山々、ワイルドな峡谷、神秘的な氷河や美しい森、清らかな水風景など、スイスの代名詞でもある大自然をこれからの世代にも受け継いでいくことを目指しています。「サステナブル」であることは、スイスの国をカタチづくってきたもので、DNAの一部なのです。長年にわたり守り受けつがれてきた大自然の絶景や多様性を誇る文化や伝統はサステナブルでありながらスイス旅の最大の魅力です。
新しい旅のアプローチ
サステナブル(持続可能)な旅行は、新しい時代の旅の形です。これからも大自然の恩恵を受けて、代々受け継ぎ守られてきた伝統にふれあい、旅を楽しむためのアプローチです。サステナブルな旅は、何かを我慢することではなく、地球の大自然を、そしてそこで暮らしてきた人々の文化を守るために、意識してより深く知り、そしてより多く楽しむことを意味しています。
- 自然をより近くに感じ、その大切さや美しさを体感する
- 長くその土地で受け継がれてきた文化・伝統を体験する
- 地産地消。地元ならではの郷土の味、グルメを楽しむ
- より長く滞在し、魅力を深く掘り下げることができる
サステナブルな旅をリードするスイス
世界トップクラスの鉄道ネットワーク、リサイクル・チャンピオン、圧倒的にピュアな空気と水など、スイスはサステナブル(持続可能)な旅のカタチ、未来への道をリードしています。
鉄道ネットワーク
スイスが誇る交通ネットワークを利用して、絶景を眺めながらのんびりと各地をめぐる旅はスイスならではの楽しみ方ですが、地球にやさしい旅のスタイルでもあります。なかでも温室効果ガスの代表である二酸化炭素CO2排出量が少ないことでも知られる鉄道の観光での利用は世界一。毎日9600本の列車が運行する約3000kmを結ぶ国鉄(スイス連邦鉄道SBB)と約2200kmを結ぶ私鉄各社が相互乗り入れしながら、スイス全土にくまなく結んでいます。
アルプスの水
ライン川、ローヌ川などヨーロッパの大河の水源があり、ヨーロッパの水がめといわれるスイス。アルプス地方を中心に、水力発電のダム・貯水湖が各所にあり、古くから鉄道や山岳交通の電力として使われてきました。今に受け継がれてきた水風景のひとつとして、スイスには約1500の美しい湖があります。都市の中にある湖や河川も透明度が高く飲料水レベルの水質なので、泳ぐことができます。
国立公園・自然公園
スイスは国全体が国立公園のようなものですが、日本の国定公園にあたる法律で登録された自然公園は全土に19か所あり、国土の1/8以上にあたる12.7%(5,269km2)を占めています。過去125年間、法律で国土の30%は森林として保つように守られていますが、それ以上に森は増え続けています。
清らかな空気
アルプスのフレッシュな空気は有名で、古くから療養目的のリゾートとして高く評価されてきました。1853年にとくにそのピュアな空気の素晴らしさで見出された山里ダヴォスでは、空気の美しい地域として評判をよび、多くの療養所が設立され、観光地として発展しました。
サステナブルな食文化
その土地の伝統の味を守り、伝えていくこともサステナブル。いわば地産地消。スイスワイン、チーズ、など。土地柄を反映した土地の味を守っています。また、スイスは世界で一人当たりのオーガニック製品を最も多く消費しています。
リサイクル
スイスはリサイクルと廃棄物管理に関しても世界トップクラス。ペットボトルの90%が再生利用されています。チューリヒ生まれの人気ブランド「フライターグ」はトラックのホロ、シートベルトを使ってつくられたリサイクルのバッグで世界的に有名なブランドになりました。
サステナブルな旅のヒント
サステナブルな旅は、地球環境を守ることですが、何かを我慢するのではなく、むしろ観光の魅力が広がることです。自然を近くに感じ、敬意をはらい、その大切さや美しさを意識しながら環境にやさしく旅することで、より深くスイスの魅力を発見し、忘れがたい思い出が長く続く感動の体験ができるでしょう。
サステナブルな旅 体験・スポット
サステナブルな旅:関連情報リンク
スイステナブル参加施設・団体
過去数十年にわたるサステナブル(持続可能)な取り組みが、現在のスイスを形つくってきました。 水力発電の開発・利用、スイス国民の高い環境意識、または公共交通機関の早期かつ包括的な拡大を通じて、地元住民から世界中から訪れる旅行客まで楽しめるスイスの観光業における”サステナビリティ(持続可能性)” をみることができます。
団体荷物を送って身軽に楽しむ鉄道旅
スイスが誇る公共交通のネットワークを利用して、絶景を眺めながらのんびりと各地をめぐる旅はスイスならではの楽しみ方で、地球にやさしい旅のスタイルです。スイスには荷物を目的地に送る便利がシステムがあるので、荷物を滞在先に送って、身軽に自由に鉄道旅を楽しみましょう。
スイス・グランドトレインツアー
鉄道・バス・湖船を使ってスイスの魅力が楽しめる人気の絶景パノラマルートを組み合わせてめぐる旅『スイス・グランドトレインツアー Grand Train Tour of Switzerland』。
乗り物は単なる移動手段ではありません。移り変わる風景をのんびり眺めながら進む:そのルート自体が旅のハイライトで醍醐味なのです。
電気自動車でめぐるグランドツアー(周遊ドライブルート)
車でハイライトをめぐるスイス周遊ルート「スイスグランドツアー」に、世界初となる電気自動車のみでめぐる周遊ルートが誕生。EV充電スタンドが各地にあるスイスでは、ドライブルート全体で電気自動車が快適に走る電力が確保されており、1600kmを超える快適でクリーンなドライブ旅行を満喫することができます。
City breaks
ヨーロッパの歴史や文化がつまった「ミニチュアヨーロッパ」といわれるスイス。言語や建築など、雰囲気がまったく異なる個性的な街や村を訪ねれば、まるで何カ国も訪ねたかのような感動を得ることができるでしょう。