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「スイスショート特集:日本を見つめるスイス」

2024年10月26日、東京都写真美術館で「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア2024」が、スイス大使館とサカエ・シュトゥンツィ基金のサポートのもと、「スイスショート特集:日本を見つめるスイス」を開催し、スイス人監督による日本をテーマにしたショートフィルム3作品が上映されました。このイベントは、スイスと日本の国交樹立160周年を祝うもので、特別ゲストとして日本初の外国人刀鍛冶ジョハン・ロイトヴィラーさんとスイス人監督ロマン・ゲラさんが登壇し、彼らのドキュメンタリー『ジョハン、炎のダイアローグ』のプレビューが行われました。

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2024年10月26日(土)、東京都写真美術館にて、SSFF & ASIA 2024の秋の上映会「スイスショート特集:日本を見つめるスイス」が開催されました。スイスと日本の国交樹立160周年を記念し、サカエ・シュトゥンツィ基金、スイス大使館、そしてVitality.Swissプログラムの支援を受けて、このイベントは実現しました。このイベントでは、日本を描いたスイスの監督による短編映画3本が紹介され、ドキュメンタリー「ジョハン、炎のダイアローグ(Johan, L’épreuve du feu)」の上映後には、刀鍛冶のジョハン・ロイトヴィラー氏と監督のロマン・ゲラ氏によるトークセッションが行われました。

上映された短編映画には、江戸時代を舞台にした恋愛コメディ『晴れて成仏』(ケビン・へフリン監督)、2022年のシネマティック東京部門で優秀賞を受賞した『TOKYO RAIN』(ミシェル・ワイルド&ロバート・シュナイダー監督)が含まれています。これらの作品は、スイスの監督たちによる独自の視点で日本を描写し、観客に新鮮でユニークな日本の風景を提供しました。

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イベントは、スイス大使館の広報文化担当官サラ・ボックマン氏の挨拶で始まりました。彼女は「スイスと日本の国交樹立160周年という特別な年に、このプロジェクトは共通の価値観、相互尊重、豊かな文化交流を象徴するものです。ここ数週間、スイス・バイタリティ・デイズを開催してきましたが、この上映会がその締めくくりのイベントとなります」と述べました。また、彼女は「このイベントを通じて、スイスと日本の活発なパートナーシップがさらに際立ち、両国間の創造性のダイナミックな交流を促進することを期待しています」とコメントしました。

「ジョハン、炎のダイアローグ」について、彼女は「この映画はスイスの視点から日本を再発見し、文化交流の精神を象徴する作品で、バイタリティ・アンバサダーであり日本で初めての外国人刀鍛冶となったジョハン・ロイトヴィラー氏の物語です。スイスの監督ロマン・ゲラ氏によって描かれたこの挑戦は、伝統に対する敬意と情熱、そしてスイスと日本の価値観の融合を反映しています」と紹介しました。

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上映後、刀鍛冶のジョハン・ロイトヴィラー氏と監督のロマン・ゲラ氏が登壇し、Shortshortsフェスティバル・ディレクターの東野氏と、同映画祭で10年以上司会を務めるジョン・ハガティ氏の進行のもと、トークイベントが開催されました。

ジョハン氏は、スイスの鉄工所で働いていた時に出会った日本刀の美しさに魅了されたエピソードや、広島の刀鍛冶に弟子入りしたこと、また、ゲラ監督が広島での映画プロジェクトの最中にジョハン氏の話を聞いて取材を始めた経緯について語りました。ジョハン氏は「刀鍛冶として成功したのは3本、失敗したのは10本以上、数えたくないほどです」と述べました。また、彼は「失敗する前提で仕事をしているが、失敗すると思い続けていると上手くいかない。だからこそ、すべての失敗を含めて、毎回良い刀を作ることに専念している」と自らの姿勢を説明しました。

ゲラ監督は、このプロジェクトがスイステレビのドキュメンタリー番組の一環として制作されたことを明かしました。その番組は世界の自然の美しさを紹介するものでしたが、今回は「火や土、風など周りの自然を使って刀を作る日常生活を追いました。この作品を通じて、自然の重要性や私たちの生活に自然が関わっていることを伝えたかった」と制作の背景を紹介しました。作品は2週間かけて撮影され、撮影場所が山奥にあったため、スイスから撮影クルーを呼ぶのではなく、日本に慣れた少人数のグループで撮影に臨んだことも語られました。

ジョハン氏は「撮影となると普通は気が散ってしまい、鍛冶仕事をしている時も自分らしさを出せないが、ゲラ監督の前では集中できた」と話しました。中盤では、ゲラ監督の話が尽きることなく続き、通訳をしていたジョハン氏が思わず日本語で「覚えきれないよ」と漏らし、観客の笑いを誘う一幕もありました。また、Q&Aセッションでは、ゲラ監督の熱心な回答が長引く中、ジョハン氏が通訳のためにすべてを記憶しようと奮闘する姿が見られ、会場は大いに盛り上がりました。

観客からは「ジョハン氏やゲラ監督の創作活動を応援したい」「彼らが日本での制作を続けてほしい」「すごくリスペクトを感じた」といった感想が寄せられました。イベントは観客の興味を引き続き、温かな拍手で幕を閉じました。