2023年1月、スイスのプロダクトデザイナー、カルロ・クロパスは、陶磁器制作を中心とした滞在型創作活動のため、佐賀県有田町にやってきました。

スイスの公共メディアSRFがレポート!
カルロ・クロパスさんが、彼のスタジオ(グラウビュンデン州トリン・ミュリン)と日本の有田とで行っている大冒険をスイス公共放送協会(SRG SSR)のドイツ語圏SRFスイスラジオ・テレビ局が追跡。そのショートビデオレポート(ドイツ語)をご覧ください: https://www.srf.ch/play/tv/10-vor-10/video/schweizer-industriedesigner-carlo-clopath-in-japan?urn=urn:srf:video:735e7ccc-f57e-4920-afb4-f9a127294ae3

400年以上の歴史を持つ有田は、日本の伝統的な磁器工芸の中心地の一つです。しかし、近年、有田の人口や職人コミュニティは減少に転じています。スイスのグラウビュンデン州を拠点に活躍するデザイン界の俊英、カルロ・クロパスは、BIG-GAME design、デザインディレクターのダヴィッド・グレットリ、OKRO Design & Craftの創設者ハインツ・カフリッシュら専門家の審査により選ばれ、Vitality.Swissプログラムの支援を受けて、クリエイティブ・レジデンシー・有田に参加することになりました。このレジデンス・プログラムは、佐賀県の職人と国際的なアーティストとの交流や共創を促進し、地域の活性化と持続可能な社会の実現に貢献することを目的としています。
カルロ・クロパスは有田の歴史、自然、文化の中に身を置き、地元の職人たちとともに新作を制作しました。民藝運動の創始者である柳宗悦の「模様やシンボルは、社会が自然や環境とどのように関わっていくかに重要な役割を果たす」という思想にインスピレーションを受け、窯元「李荘窯」と共同で開発したテーブルウェアや茶器のシリーズを発表しました。磁器の器とプリントされたテキスタイルからなるコレクションは、渦巻きのシンボルを中心としたバリエーションによって「動きや成長、そして銀河や私たち自身のDNAを表現しています」とカルロはコメントしています。
先日、アンドレアス・バオム大使、ジョエル・カリン・サムブク・ブロイゼ在福岡名誉領事、ジョナス・プルヴァ広報文化部長のほか、レジデンスプログラムの関係者や地域の人々が出席して、コレクションの発表会が開かれました。また、バオム大使はこの日、山口祥義佐賀県知事と松尾佳昭有田町長を表敬訪問しました。三者とも、今回のレジデンスプログラムの成果に満足し、スイスと九州地方の関係がより深まることを期待していると述べました。