空気中のCO2を回収して岩石に! image
空気中のCO2を回収して岩石に! image

空気中のCO2を回収して岩石に!

空気中のCO2を回収して岩石に! image

気候変動による深刻な影響を避けるためには、世界の温室効果ガス排出量を2025年には減少に転じさせなくてはなりません。スイスのクライムワークス社は、炭素除去の場面で最前線に立っています。空気中のCO2を回収する技術で、現在、世界最大の炭素回収プラントは、毎年約4,000トンの二酸化炭素を回収することができます。現在は、2030年までに年間1,000,000トン以上のCO2を回収することを目指しています。 

クライムワークス社が開発したのは、巨大な「掃除機」を使って空気中のCO2をシンプルかつ効果的に捕捉する技術。そのCO2を水と混ぜて、地下700メートルに送り込みます。CO2が玄武岩と接触すると、安全かつ永久に石に変わるのです。アイスランドには、この技術を応用した試験的なプラントがあります。クライムワークス社が回収したCO2は、炭酸水や肥料の製造など、他の産業プロセスにも使用可能です。チューリヒに本社を置くクライムワークス社は、イタリアとアイスランドでも事業展開しており、2025年までに世界のCO2排出量の1%を回収することを目指しています。チューリヒ州ヒンヴィ―ルにある工場では、すでに年間900トンのCO2を回収しています。2009年にスイス連邦工科大学チューリヒ(ETHZ)の技術者2人が創業したクライムワークス社は、ローマ時代の温浴リゾートとして有名なヴァルスに拠点を置くスイスのミネラルウォーターメーカーValserと提携し、同社のスパークリングウォーターに必要なCO2の一部を供給しています。イタリアには、再生可能エネルギーを産生するためにCO2と水素を組み合わせるプラントがあり、その他のプラントの計画も進行中です。工場や企業から排出されるCO2をただ削減するのではなく、クライムワークス社の技術は大気中からCO2を除去することによって「消極的な」排出を促しているのです。